平安時代からお花見の名所として親しまれてきた京都の「平野神社(ひらのじんじゃ)」。桜が見頃を迎え、今日は念願叶って初めて春の平野神社を訪れることに!
60種類400本もの桜が植えられた境内は、まさに「桜の博物館」!花の香りが立ち込める「桜苑」や境内をゆったり散策しながら、心ゆくまでお花見を楽しむことができました。
今日は、そんな桜咲く平野神社の魅力を徹底レポート!平野神社を代表する「平野妹背」など、初めて見るような珍しい種類の桜もご紹介していきます。
- 平安時代から愛される桜の名所『平野神社』
- 天空を彩る桜の楽園『桜苑』を散策!
- 本殿前も桜がいっぱい!例祭で雅楽&神楽を堪能
- 緑色の桜『御衣黄桜』『鬱金』にも遭遇!
- 西大路参道のソメイヨシノも満開に♪
- お土産に桜羊羹や一輪挿しはいかが?
平安時代から愛される桜の名所『平野神社』
桜が満開だと聞いて、やって来ました平野神社!遠くから見ても春色に染まる境内が近づくにつれ、心なしか足取りも早くなる私。
さぁ、平野神社に到着です。立派なソメイヨシノが鳥居を覆い尽くし、すっかり春爛漫!前回訪れた冬とは違って、何とも華やかな雰囲気です。
平安遷都に伴って、794年に桓武天皇によって創建された平野神社。平安時代には貴族がお花見を楽しみ、江戸時代になると庶民にも夜桜が開放され「平野の夜桜」として都を代表するお花見スポットだったそう!
青空に映える赤灯篭と桜が、何とも雅やか。令和の時代も、こうしてお花見ができるなんて幸せだなぁ。
色んな品種の桜が植えられているという平野神社。どんな桜に出会えるのか、ドキドキワクワク♪まずは、「桜苑」へとお邪魔しましょう!
天空を彩る桜の楽園『桜苑』を散策!
平野神社の境内で、全身に桜を浴びたい方にオススメなのが「桜苑」。入場料は500円と有料なのですが、色んな種類の桜に出会える上、空いていてとても良かった!
こちらが桜苑の入口。おぉ、何だか今にも桜が溢れ出してきそう!
さぁさぁ、みんな行くよ~!この日は娘の初花見だったのですが、ここにきて号泣。嗚呼、静かに桜と向き合えた日々が懐かしい(笑)桜苑内は砂利ということもあり、受付の方がベビーカーを快く預かってくださいました(ありがとうございます!)。
一歩「桜苑」に足を踏み入れると、天空をキラキラと彩る大きな桜がお出迎え!両手を広げ、空一面を覆うダイナミックな桜の眩いこと・・!
すごい、これが平安時代から愛されてきた平野神社の桜かぁ。こりゃ皆、さぞかし春が待ち遠しかっただろうなぁ。時折風に乗ってやってくる菜の花の香りも、何だか心地良かったり。
風が吹くと、雪のようにハラハラと舞い散る桜吹雪。思わずポーッと見惚れてしまうほど、儚くも美しい。
娘の顔を見ると、涙にピタッと寄り添う桜の花びらが。春だなぁと感じ入ったのも束の間、必死でご機嫌を取ります(笑)
10分もあれば回れてしまう桜苑。菜の花や草が自然に生い茂り、その飾らなさにどこか癒されます。
もちろん、東寺や高台寺といった「景観にこだわり抜いたお寺の桜」も大好きなんですけどね。肩の力を抜いて、のんびり楽しめる平野神社のお花見も良いなぁと思ったり。夜にはライトアップも開催され、これまた幻想的な雰囲気が楽しめそうです。
豪華な濃紅色の八重桜『関山』
さて、色んな品種の桜に出会えた桜苑。
中でも、濃紅色が目を惹いたのが八重桜の「関山(かんざん)」。
幾重にも重なった花びらが豪華ですよねぇ。花びらの数は、何と25枚以上にもなるのだとか!
ソメイヨシノが満開なのに対して、まだ蕾も多かった関山。一般的な花見シーズンが過ぎても、しばらく楽しめそうです。
清楚で可憐な『大手毬』
続いては、ふわっと真っ白な花を咲かせた「大手毬(おおてまり)」。清楚で可憐な雰囲気が、とってもキュート!
60種類もの桜が咲く平野神社。ソメイヨシノかな~と思いきや、実はこんな風に別の種類だったりするから面白い!早咲きから遅咲きまで、一カ月半にわたって桜を楽しめるのも嬉しいですよね♪
桜の近くには、種類を示す立札があるので、是非じっくりとお花見を楽しんでみてくださいね。
本殿前も桜がいっぱい!例祭で雅楽&神楽を堪能
さて、桜苑を後にした我々一行。続いては、お参りをするために本殿へと向かいます。
すると・・・えっ!何やらお祭りが行われているじゃありませんか。どうやら運良く「例大祭」の日に訪れたようで、本殿前では雅楽の演奏が行われていました。
雅やかな笛の音が響き渡る境内。心はもう、古の京へとタイムスリップ!こんなタイミングで参拝できるなんて、めっちゃラッキー・・!
神事は進み、お神楽の奉納も。桜舞い散る中、鮮やかな装束で舞を踊る女性。母は隣で感激し、観衆も誰一人帰ろうとしません。
この非日常が、京都の日常なんだからすごい。
4月10日には「桜花祭」が開催され、時代行列が地域を巡行するそう。何だか想像するだけで楽しそうですよね!これもまたいつか行ってみたいなぁ。
本殿を彩る真っ白で大きな『大内山』
平野神社の本殿周辺は、まさに桜の楽園。「神前でこんなに沢山の桜に包まれる経験は初めて!」という位、桜が咲き誇っていました!
頭上に咲き乱れるのは、「大内山(おおうちやま)」。とっても大きな桜で、お祭りが一層華やいで見えたのは、この桜のお陰かも。
幾重にも重なる真っ白な花びらが美しい。ソメイヨシノに比べて、大きくぼってりとした質感も素敵です。
この桜、ボリュームがあって好きだなぁ。1日でこれだけ色んな桜を眺めていたら、帰る頃には桜博士になれるかも(笑)
平野神社発祥の縁結び桜『平野妹背』
今回平野神社を訪れるにあたって、一番会いたかった桜が平野神社発祥の「平野妹背(ひらのいもせ)」。桜苑にあるのかなと思いきや、本殿に向かって左側で出会うことができました!
ひゃ~可愛い!フリルのように、幾重にも重なる濃いピンク色の花びら。ギュッとお花を詰め込んだ丸い蕾も、これまた可愛くて。
「妹背」とは「仲の良い男女・夫婦」のこと。平野妹背は花によって可愛い実を2つ付けることから、その名が付けられたそう。
平野神社の「縁結びお守り」のモチーフにもなっている桜なので、参拝の際は是非お守りコーナーも覗いてみてくださいね!
上品で可愛い『衣笠』
平野妹背と並んで、平野神社から広まったとされるのが、こちらの「衣笠(きぬがさ)」。淡いピンクの花びらが、上品で可愛いですよねぇ。
一見ソメイヨシノにそっくりなのですが、葉が花と同じタイミングで出てくる点が違うかな?
って私、桜にどんどん詳しくなってる・・!これは、今までの花見で感じたことのない喜びかも(笑)いやはや平野神社、恐るべし。
まるで雲のように咲く『白雲』
本殿の内側からは、もくもくと雲のように咲く桜が!その名も「白雲(しらくも)」。
おぉ、なんて納得感のあるネーミングなんでしょう(笑)
提灯と相まって、何とも雅やかな雰囲気。夜は提灯に灯りが灯るのかな?平野の夜桜、またいつか来れると良いなぁ。
圧倒的な存在感『八重紅枝垂』
本殿脇では、大きな「八重紅枝垂」にも遭遇!シャワーのように降り注ぐ姿が、何とも神々しい。
こんな立派な枝垂れ桜に出会えるなんて感動!まさに主役級の存在感。傘の中に入ると、まるで桜にくるまれたような幸せな気分に♪
支柱でしっかりと支えられ、とても大切にされていました。平野神社を訪れたら、是非出会って欲しい1本です(見頃は4月中旬)。
高貴さ漂う『朱雀』『楊貴妃』
境内を歩いていると、時折面白い名前の桜に出会うことも。
例えば、こちらの「朱雀(すざく)」。控えめで小さな薄紅色の花びらが、高貴なお名前にぴったり!
かつて京都の朱雀にあったことから、その名が付けられたそう。長い小花柄が優雅で、何ともリッチな印象です。
こちらの桜は、「楊貴妃(ようきひ)」。よ、楊貴妃ってあの世界三大美人の・・!?
その気高さゆえ、うまくピントを合わせられず(笑)とはいえイメージとは違って、ふんわり大きなピンクのフリルが、とても可愛い桜でした♪
本殿周辺には、まだまだ色んな桜が咲いていました!境内を散策しながら、自分のお気に入りの桜を探してみるのも面白いですね。
緑色の桜『御衣黄桜』『鬱金』にも遭遇!
平野神社では、ちょっと珍しい緑色の桜が見られるのをご存知ですか?私も散策中に2種類のグリーン桜に出会ってしまいました!
まずはこちら、「御衣黄桜(ぎょいこうざくら)」。おぉぉ、確かに緑だ!
とても珍しい品種で、見頃は4月下旬と遅咲きなのですが、数輪が開花していました。満開時には紅色の縦線が入るのだそう。
柔らかなグリーンが、とっても素敵。遅咲きの桜なので、他の桜が舞い散る頃にも楽しめるのが魅力ですね。
続いて出会った緑の桜が、こちらの「鬱金(うこん)」。淡いグリーンと白の縞模様がお洒落な桜です。
ウコンを使って染めた色に似ていることから、「鬱金」と名付けられたのだとか。見頃は4月中旬と、御衣黄桜より少し早め。今年は私が訪れた4月上旬でも、沢山の花が咲いていました。(2020年は特に早かったです!)
緑の桜まで見られるとは、さすが桜の博物館「平野神社」。何だか、桜に関してちょっと通になれた気分(笑)平野神社を訪れた際は、こんな緑の桜にも注目してみてくださいね!
西大路参道のソメイヨシノも満開に♪
桜苑のお隣(西大路参道)には、今が見頃のソメイヨシノ並木が!なんて綺麗なの~。皆さん写真を撮ったり、空を見上げてニコニコ笑顔。
桜苑は有料ですが、こちらは無料で楽しめるとあって多くの人で賑わっていました。
一見桜苑と似ていますが、こちらはソメイヨシノが中心。色んな品種の桜をのんびり楽しみたい方は、桜苑にも足を運んでみてくださいね!(もちろん、本殿や境内でも相当な種類の桜を楽しめますよ♪)
帰りがけ。ふと横を見ると、京都の花見のスタートを飾る枝垂れ桜「魁桜(さきがけざくら)」の姿が。
さすがにもう葉桜だよなぁと思っていたら、可憐な花をまだ少し咲かせていて嬉しくなっちゃいました。魁桜も平野神社が発祥。やっぱりこの神社、すごい!
お土産に桜羊羹や一輪挿しはいかが?
これでもかと言う位、さまざまな桜を堪能した私達。最後は、桜苑の入口にあるお土産コーナーを覗いてみることに!
わっ、可愛い~。桜をモチーフにしたキーホルダーやストラップがずらり。
中には、ウサギさんや猫ちゃんが付いたものも!
こちらは、桜の一輪挿し「お花いけ¥1000」。めちゃくちゃ小さな花瓶ながら、ちょこんと生けられた桜が何とも愛おしい♪
桜の花だけを生ける発想はなかったなぁ。この一輪挿し、実はSNSでも話題となった人気商品なんですよ~。
で、私達が買ったのがこちら。羊羹「桜便り」でーす!って結局、花より団子かい(笑)
平野神社で祈祷された桜を使用した羊羹は、近所に店を構える「笹屋守栄」さんのもの。おばあちゃんへのお土産に買ったので、喜んでくれると良いなぁ。
今回初めて訪れた春の平野神社。今まで知らなかった色んな種類の桜に出会うことができました!私も少しは桜博士になれたかな?(笑)
「桜を見る」から「桜を知る」へ。皆さんも、いつもとは一味違うお花見を平野神社で楽しんでみませんか?
住所:京都市北区平野宮本町1
アクセス
・京都駅からは市バス[205][50]系統「衣笠校前」下車後、徒歩3分
・京福電鉄北野線「北野白梅町」駅 徒歩7分
拝観時間:6:00-17:00
駐車場:あり
*桜の時期には、屋台や桜コンサートが開催されます。平野神社のHPで情報を確認してみてくださいね!