京都ぶらり散歩&グルメ手帖

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【六道珍皇寺】小野篁が地獄へ通った井戸を巡る!閻魔御朱印に毘沙門天像の特別拝観もご紹介

かねてから、参拝に訪れてみたかった「六道珍皇寺(ろくどうちんのうじ)」。冥界への入り口とされ、小野篁が「あの世とこの世を行き来した井戸」でも有名な京都のミステリアススポットです。

 

今回は、毘沙門天像が見られる秋の「非公開文化財の特別公開」を利用して、伝説の井戸を見学し、さらには六道まいりの「迎え鐘」を撞いてきましたよ~!

 

不思議な魅力に溢れる六道珍皇寺。今日は、そんな六道珍皇寺の見どころをたっぷりとご紹介していきます。

 

 

あの世とこの世を結ぶ「六道珍皇寺」

 

この日は、花見小路でランチを楽しんだ後、六道珍皇寺へ!電車だと、京阪「清水五条駅」から徒歩15分で行くことができますよ。

 

到着するなり、「六道の辻」と書かれた大きな石碑が。六道とは、地獄道・餓鬼道・畜生道・修羅道・人道・天道の6つの冥界のこと。人間は死後に、生前の善悪の因果応報によって、この六道を輪廻転生するといわれています。

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六道珍皇寺はかつて、平安京の墓所である鳥辺野の入り口にあり、「野辺の送り(のべのおくり)」が行われた場所。そのため、六道珍皇寺は六道に通じる「あの世とこの世の境の辻」、つまり冥界への入り口だと信じられてきたそう。

 

なるほど、この地に足を踏み入れれば、ここはもうあの世とこの世の境目というわけですねぇ。う~ん、何ともミステリアス!特別拝観料1000円を支払って、ドキドキしながら境内に入ります。

 

六道珍皇寺は、延歴年間(782年〜805年)に慶俊僧都によって開基されたお寺。人で賑わう祇園町からすぐの場所なのに、境内はひっそりと静まり返っていました。

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奥に見えるのが、本堂。こちらで、特別拝観の目玉である毘沙門天像や井戸を見ることができます。

 

さぁ、それでは早速本堂にお邪魔させていただきましょう!

 

特別拝観で毘沙門天像&地獄絵を満喫!

 

本堂に入ると、薬師三尊像の手前には、修復後初公開という毘沙門天像のお姿がありました。

 

邪気を踏み潰した凛々しいお顔が、何とも迫力満点!弘法大師作と伝わる木造の毘沙門天像は、頭に被った金色の甲冑がとても印象的。弘法大師様は、教えを広めるだけではなく、仏像も作られていたんですね。とても貴重なものを見せていただけました。(堂内は写真撮影禁止だったので、目にしっかりとそのお姿を焼きつけました)

 

他にも、今回の特別拝観では、さまざまな地獄絵の展示も行われていました。窯で煮られる人が描かれていたり、どれも本当におどろおどろしいものばかり!「こんな所には行きたくない!真面目に生きよう」そんな決心をさせてくれる、ドギマギする作品の数々でした。それにしても、こんなに沢山の地獄絵を見られるなんて、六道珍皇寺ならではですよね。

 

お堂からは、枯山水庭園を楽しむことも。青空の下、苔に新緑が爽やかで気持ちが良いです。

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お堂の中から、外の写真を撮るのはOKとのこと。地獄絵を見て脳が覚醒したので、自然を眺めることで心を落ち着けました(笑) 

 

小野篁が地獄へ通った「冥土通いの井戸」

 

六道珍皇寺を語るうえで欠かせない人物と言えば、小野篁(おののたかむら)でしょう。平安初期、嵯峨天皇につかえる官僚であった彼には、実は裏の顔が・・!

 

そう、日中は朝廷に出廷していた小野篁ですが、夜になるとあの閻魔大王の補佐として、閻魔庁に通っていたのだそう。一見嘘のような話ですが、このエピソードは今昔物語にも記され、当時の人々も皆知る所だったよう。

 

その小野篁が、地獄へ向かうために使っていたというのが、この「冥土通いの井戸」。この井戸を介して、閻魔大王の所に通っていたんですねぇ。中を覗くと草が生えていて、ここが地獄に通じているのかと思うと、ちょっと怖い・・!

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井戸の手前の石には、小野篁の足跡が残っていると係員の人が教えてくれました。よ~く見ると、確かに少し凹んでいるような・・!?

 

さらに奥へと進むと、冥土からこの世へ帰るために使ったという「黄泉がえりの井戸」もありました。こちらは写真撮影禁止だったのですが、井戸の中には「輪廻転生」と書かれた、穴の開いた丸い石が置かれていました。ほぉ、何とも言えないゾクゾク感がありますねぇ。

 

ちなみに、本堂や井戸は特別公開や寺宝展の時にだけ見ることができます(5名以上であれば、事前予約可)。タイミングによっては毎月見ることもできるので、六道珍皇寺のホームページからチェックしてみてくださいね。

 

「六道まいり」の迎え鐘を撞こう!

 

井戸の見学を終えた後は、「六道まいり」でも有名な迎え鐘を撞くことに!六道まいりとは、毎年8月7・8・9・10日の4日間行われる先祖の精霊を迎える行事のこと。

 

この迎え鐘を撞くと、冥途に鐘の音が届き、ご先祖様が「黄泉がえりの井戸」からこの世に戻って来ることができると言われています。

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ちなみに迎え鐘は、建物に覆われているため、外からは見ることができません。ちょこんと出ている紐を引いて、勢いよく「ゴーンッ」と鳴らします。何とも風流で胸に響く良い音が鳴りましたよ~。

 

慶俊僧都が造らせたという迎え鐘には、こんな伝説も。僧都が唐に赴く時、「鐘を3年間、鐘楼下の地中に埋めるように」と寺僧に命じたそう。しかし待ちきれなかった僧は、1年半で鐘を掘り出し、音を鳴らしてしまいます。すると、その音は僧都のいる唐にまで聞こえたそうな。

 

僧都は「あの鐘は3年間地中に埋めておけば、その後は人手を要せずして6時になると自然に鳴るものを、惜しいことをしてくれた」と大変残念がったと言われています。唐にまで響く鐘ならば、冥土までも届くだろうと信じられ「迎え鐘」となったんですね。

 

それにしても、室町時代から続く六道まいりの風習が、今なお受け継がれているのは素晴らしいなと思いました。ご先祖様を思う優しい気持ちは、今も昔も変わらないんですね。

 

迫力満点!ギロリと睨みつける閻魔大王

 

迎え鐘を撞いた帰り道。最後は、閻魔大王と小野篁さんにご挨拶を。

 

お二人がいらっしゃるのは、絵馬の後ろにある閻魔堂。格子の隙間から、お会いすることができます。

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目と口を大きく開いた、恰幅の良い閻魔様。顔を上げると、ギロリと睨まれているようで、背筋に緊張が走りました(笑)

 

こちらも残念ながら、写真撮影は禁止。この迫力は、お寺に行って是非確認してみてくださいね。手前の薬師堂には、重要文化財である本尊薬師如来坐像のお姿も。お参りの際には、こちらもお見逃しなく!

 

個性的で面白い♪ゑんま王の御朱印

 

お参りに行く前から、欲しいと思っていた六道珍皇寺の御朱印。

 

それがこちらの閻魔様の御朱印です。閻魔様のお顔のスタンプが可愛くて、しかも珍しい!

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墨書きは、閻魔様の他に「地蔵尊」と「薬師尊」の全部で3種類あったのですが、迷わず閻魔様にしました。

 

御朱印帳をたまに見返しては、ニヤニヤしちゃいそう(笑)

 

今回訪れた六道珍皇寺は、あの世とつながる不思議な井戸から閻魔様まで、心惹かれる魅力が散りばめられたお寺でした。

 

時には、定番の京都とは少し違った散策も楽しいものですね。しばらくは六道珍皇寺の余韻に浸りながら、過ごすことになりそうです。

 

六道珍皇寺

住所:京都市東山区大和大路通四条下ル4丁目小松町595

アクセス:京阪「清水五条駅」から徒歩15分、市バス「清水道」から徒歩5分

拝観料:通常は自由拝観、特別拝観・寺宝展時は有料

拝観時間:9:00-16:00