明治天皇が東京へ遷幸するまでの五百年間、京都御所(きょうとごしょ)は天皇の皇居として利用されてきました。
皇室とゆかりの深い京都御所。平成最後の春には上皇も京都御所を訪れ、近衛桜をご鑑賞されていましたね。
いよいよ令和の時代に入り、改めて京都御所に想いを寄せている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、京都御所の見学方法や見どころをご紹介!この時代の節目に一度足を運んでみませんか?
- 京都御所の一般公開
- 京都御所の見学ルート&所要時間
- 見どころ①天皇と対面する玄関『御車寄』&控室『諸大夫の間』
- 見どころ②左近の桜・右近の橘を眺める『紫宸殿』
- 見どころ③天皇のお住まい『清涼殿』&『滝口の武士』
- 見どころ④美しい日本庭園を楽しむ『御池庭』『御内庭』
- 令和の今こそ訪れたい!ゆったり楽しめる『京都御所』
- (再開)新型コロナウィルスによる通年公開・高御座参観休止について
京都御所の一般公開
京都御所の見学はこれまで事前の申し込みが必要でしたが、現在は事前の手続きは一切不要、指定の時間に現地集合さえすれば無料で見学が可能です。
予約なしで気軽に御所見学ができるなんて、とてもありがたいですよね!アクセスも簡単で、地下鉄「今出川駅」の3番出口から徒歩5分の場所にあります。
見学は1日4回。宮内庁職員さんガイドのもと、しっかりと見学を楽しめますよ。
〇見学開始時間
9:30、10:30、13:30、14:30
*月曜日&年末年始など行事がある時はお休みなので要注意。
*英語と中国語での案内は、10:00と14:00の1日2回開催。
〇集合場所
清所門を入った先にある参観者休所
〇宮内庁HP
ガイドさんまで付いて、無料で見学させてもらえるなんて素晴らしい!また車椅子の貸出もあるので、足の不自由な方でも安心して見学が楽しめますよ。
それでは、見学の詳細をみていきましょう。
京都御所の見学ルート&所要時間
京都御所見学の所要時間は約50分ほど。観光で忙しい方にも、ちょうど良い時間ですね。そして、人混みを避けたい方にもおすすめです。
京都御所の地図を参考に、見学ルートがこちら。広い御所内を、赤字の線にそって見学していきます。
京都御所の周りは、京都御苑という大きな公園になっています。なので、集合場所の清所門は、京都御苑へ入り京都御所に向かった先にあるのでご注意を!
ちなみに私は、4月に京都御所見学へ行ってきました。天皇家ゆかりの建物や日本庭園を満喫できて、かなり楽しめましたよ♪
それでは早速、京都御所の中に入っていきましょう。
見どころ①天皇と対面する玄関『御車寄』&控室『諸大夫の間』
清所門をくぐり、一番初めに目にするのがこちらの「御車寄(みくるまよせ)」。公卿などの貴族が天皇と対面するときに使用した玄関口です。
二条城の唐門を思わせる重厚感溢れる玄関口。外からだとわかりにくいですが、玄関を入ると廊下があり、清涼殿等の建物とつながっているそう。
さらに進むと「諸大夫の間(しょだいぶのま)」が現れました。参内した公家や将軍の使者の控えの間です。身分に応じて、3種類の部屋に分かれています。
各部屋には虎・鶴・桜の襖絵が当時のまま美しく描かれていました。身分でお部屋が分かれるとは、さすが御所の格式の高さを感じさせますね。
見どころ②左近の桜・右近の橘を眺める『紫宸殿』
そして、京都御所の一番の見どころが「紫宸殿(ししんでん)」。最も格式の高い正殿であり、即位礼などの重要な儀式が行われた場所です。慶応4年(1868年)には「五箇条の御誓文」発布の舞台になったことでも有名ですよね。
紫宸殿前には、美しく敷かれた白砂が。正面には、かの有名な「左近の桜」と「右近の橘」が植えられていました。満開の桜が白砂に映えて、とっても綺麗!
令和初の2019年「鴨川をどり」の舞台にもなった紫宸殿。京都の街中にいることを忘れさせるほど広い敷地の中に、優美に佇んでいました。
簾で覆われていた右近の橘。せっかくなので、少し拡大してみましょう。優しい黄緑色の橘の葉。秋にはミカンのような黄色い実をつけるんですよ~。
紫宸殿を見学した後は、その裏側にある清涼殿に足を進めましょう。
見どころ③天皇のお住まい『清涼殿』&『滝口の武士』
清涼殿(せいりょうでん)は、平安時代中期から天皇のお住まいとして使われた御殿です。
政事や祭事などの重要な儀式もこちらで行われていたそう。先程ご紹介した御車寄のちょうど裏側ですね。
*写真を撮り忘れたため、御所のパンプレットから引用しています。
天皇がお住まいの清涼殿近くには、滝口の武士と呼ばれる警備部隊が常駐していました。当時の平安京では、重税による治安の悪化で盗賊など物騒な事件が横行していたことから、このような警備部隊が設置されたのだそう。
なぜ滝口かと言うと、警備部隊がいた場所には水路の水の落ち口があり、それを滝口と呼んだことに由来します。清涼殿を訪れた際は、自分の目でご覧になってみるのも面白いですよ♪
さぁ、続いては庭園を散策です。これまた見ごたえのある素晴らしいお庭が広がっていました!
見どころ④美しい日本庭園を楽しむ『御池庭』『御内庭』
京都御所では、神社仏閣と同じように庭園を楽しむことができます。
こちらは、池を中心に楽しむ回遊式庭園「御池庭(おいけにわ)」。満開の桜と池に架かる橋の美しいこと!
見学者の皆さんも、一斉に撮影タイム!京都の街中で、こんな庭園を楽しめるのも御所の魅力です。
さらに、こちらは「御内庭(ごないてい)」。左に植えられた松の枝ぶりとうねり具合が絶妙ですごく格好良い!思わずじっと見入ってしまいました。
かつて天皇もこの庭園を眺めていたんだなぁと思うと、何とも感慨深い気持ちに。
優美な庭園をひとしきり眺めながら、心穏やかになれたひと時でした。
令和の今こそ訪れたい!ゆったり楽しめる『京都御所』
今回は京都御所についてご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか?
京都御所はその広大さゆえ、混雑することが多い京都観光でもゆったり楽しめる穴場です。のんびり観光したい方にオススメですよ。
京都から天皇が去って150年。元号が令和に変わったこの時期に訪れてみてはいかがでしょうか?
(ご参考)御所見学の後は、近くの虎屋茶寮で和菓子もオススメです!
(再開)新型コロナウィルスによる通年公開・高御座参観休止について
(2020/7/13追記)
高御座・御帳台などの一般参観が 、7月18日(土)に再開されることになりました。詳細は、以下の通りです。貴重な展示を楽しみましょう!
期間:令和2年7月18日(土)から8月27日(木)
午前8時40分から、当日の整理券を清所門前で、1日5,000枚配布。(配布は1人につき、1枚のみ。整理券に記載された時間帯以外入門できません。整理券を持っていないと入門できないので、ご注意を!)
時間:午前9時から午後4時20分まで
休園:月曜日及び8月12日(水)から16日(日)
*ただし、8月10日(月)は祝日のため営業。翌11日(火)が休園日となります。
(2020/5/22追記)
京都御所の通年公開が、5月23日(土)より参観者数と参観回数を減らすなどの感染防止対策を行った上、再開されるとの発表がありました!
マスク着用は必須、入門時に非接触型体温計での体温測定も実施するとのこと。体調にご留意のうえ、御所見学を楽しんできてくださいね。
(2020/4/8追記)
京都御所の通年公開ですが、新型コロナウィルスの感染防止のため2020年4月8日から一般公開が休止されるとの発表がありました。(京都仙洞御所含む)
いつまで中止になるかの期間は、未定とのことです。
また、3/1から予定されていた高御座(たかみくら)の一般参観についても、延期が決定。即位礼正殿の儀で使用された高御座・御帳台や威儀物を見学できるため、楽しみにしていた方も多いと思うのですが残念ですね。。
一刻も早く新型コロナウィルスが収束し、今まで通り京都御所を楽しめる環境に戻ってくれるよう心から願っています!また再開したら、こちらのブログでもお知らせしたいと思います。
住所:上京区京都御苑3
アクセス:地下鉄烏丸線今出川駅から徒歩5分
駐車場:あり(有料)
詳しい駐車場場所はこちらをご参考ください。
http://fng.or.jp/kyoto/service/parking.html
京都御所HP