紅葉の名所が数多く点在する京都。そんな中でも、私が大好きな場所が左京区にある「法然院(ほうねんいん)」。
ひっそり佇む草庵は、静かに紅葉を楽しめる穴場スポット!この日は朝7時に起きて、紅葉美しい法然院を散策してきました♪
法然院の紅葉は色彩豊かで、それはもう見惚れてしまう美しさ。今日は、そんな法然院の秋をたっぷりリポートします!
法然院の歴史
まずは、法然院の歴史を簡単にご紹介しましょう。
法然院は、鎌倉時代初期に浄土宗の祖である法然が、弟子の安楽とともに建てた草庵です。
しかし、1206年に後鳥羽上皇の熊野臨幸の留守中に、院の女房松虫・鈴虫が安楽・住蓮を慕って出家したことが上皇の逆鱗に触れ、法然は流罪、安楽は死罪となってしまいます。
その後、草庵は荒廃しますが、江戸時代初期に知恩院の和尚とその弟子が念佛道場として伽藍を作り、今の法然院が形づくられました。
そんな波乱万丈な歴史を持つ法然院。今では自然豊かな草庵が、四季折々の表情で私達を楽しませてくれています!
哲学の道を通って法然院へ
法然院へは、京都大学の哲学者・西田幾多郎が歩いて思想に耽ったことから名付けられた「哲学の道」を通って向かいます。
春は桜も有名ですが、秋にはモミジやナンテンの実が赤く色づき、とっても綺麗!もうすっかり秋の装いです。
朝はこんなに人が少ないんですよ~!人気観光スポットを一人占めしながら、静かにお散歩を楽しみます。澄んだ空気が気持ち良いなぁ。
哲学の道を満喫しながらも、銀閣寺方面に向かってどんどん歩みを進めます。
茅葺山門から眺める額縁紅葉
さぁ、いよいよ法然院に到着です!
大階段を上ると、趣ある山門が見えてきました!山門まで続く道の脇には、空高く伸び、鮮やかに紅葉する楓が。
街中から突然、別世界に連れて来られたような感覚。幻想的で、すっごく綺麗!
まるで日本昔話に出てきそうな見事な茅葺き屋根だこと!山門を額縁に見立て、その奥に広がる紅葉をうっとり眺めてみたり。
苔むした屋根が、何とも風情たっぷりなんですよねぇ。これぞ、日本の美!興奮のあまり、カメラのシャッターを何度も押してしまいました(笑)
まるで絵本の世界!色彩溢れる法然院
山門をくぐると、まるで絵本の1ページのような景色が目に飛び込んできました!
茅葺き屋根に降り注ぐ、赤や黄色に輝くモミジ。自然が織り成すグラデーションが、最高に綺麗で美しい!
こんな景色は、そうそうお目にかかれるものではありません。それを一人占めしているなんて・・!これぞ、朝早く起きた者だけの特権(笑)
あまりの美しさに言葉が出ず、しばらくこの景色をうっとり眺めていました。まさに、法然院ならではの絶景!離れがたい程、素晴らしい景色でした。
僧侶が描くモミジの砂絵『白砂壇』
参道の脇にある白い盛り砂は、「白砂壇(びゃくさだん)」。砂壇は流れる水を表現し、この間を通ることで心身が清められるとされています。
白砂壇をよく見ると、可愛いモミジの砂絵が・・!実はこの砂絵は、法然院のお坊さんが描いたもの。白砂壇に乗らずに、こんなに上手に描けるなんて凄いっ。
秋がもっと楽しくなるような演出が素敵ですよね♪はらりと散ったモミジが、彩りを添えています。
そして、こんな可愛い演出も!菊が花の間から、水が椿の葉をつたって流れ落ちています。
ひゃ~、もうセンス良すぎです。こうやって、参拝客を楽しませてくれる法然院。やっぱり私は、あなたが大好きだ~!
境内はどこまでも静か。日常の喧騒から離れ、法然院の世界観に浸る至福のひと時。
本当最高ですね。朝早く起きて良かった~!
人との心温まる出会いも♪
紅葉を楽しんだ後は、境内の奥にいらっしゃる観音様に合掌。
すると、「よかったら、こっちに座ってください!普段見られない景色が見れますよ」と50代位の男性2人に話かけられました。
え、私に話しかけてる!?と人見知りな私は驚きつつも、「席も開けたんでどうぞ!」とグイグイくる相手。しかも、めっちゃイイ笑顔。
イメージ図がこちら。(この絵心のなさよ、、笑)
「紅葉を愛でる者は、皆兄弟だ」
そんな言葉も頭をよぎり、気付けば隣に座って、見知らぬオジサンと3人で紅葉の美しさを語らっていました(笑)
こちらが、みんなで見た景色。ちょっと屋根が被っていますが、黄金色の紅葉がとっても綺麗でした。
どうやら今年は暖冬で、例年より少し遅いこの日が、まさに見頃だったようです。人と感動を共有するのも、楽しいものですね。
朝から大満喫できた法然院。美しい紅葉を眺めながら、素敵な時間を過ごすことができました♪
是非、みなさんも素晴らしい紅葉を眺めに、法然院を訪れてみてくださいね!
(ご参考)圓光寺の額縁紅葉もおすすめです。
住所:京都市左京区鹿ヶ谷御所ノ段町30番地
アクセス:市バス「南田町」から徒歩5分or市バス「浄土寺」から徒歩10分
拝観時間:6:00~16:00
拝観料:無料