紅葉が美しいことでも知られる「善峯寺(よしみねでら)」。CMや映画の撮影にも使われ、一度は訪れてみたかった京都の古刹です。
山奥にあることから、善峯寺行きのバスは1時間に1本。そんなこともあり、なかなか足を運べずにいたのですが、今回は満を持して紅葉シーズンに行ってみることに!
雅やかな紅葉に、比叡山や京都の町並みを眺める爽快なパノラマビュー!龍のような松に感激しながら、ハイキング気分で西山の秋を堪能してきました。
今日はそんな善峯寺の見どころを、写真と共にご紹介していきます。
- 桂昌院ゆかり「善峯寺」の歴史
- ぐるっと庭園散策!善峯寺の境内図
- 観音堂にお参り!鐘楼堂から京都市街を一望
- 全長37m!西山を悠々と泳ぐ『遊龍の松』
- 情緒たっぷり♪紅葉に染まる秋の多宝塔
- 東山連峰を一望!薬師堂からの極上絶景
- これぞ錦秋の善峯寺!けいしょう殿から眺める雄大な自然に感動
- 紅葉美しい道を散策!森林浴でリフレッシュ
- 春は桜、夏は紫陽花も楽しめます♪
桂昌院ゆかり「善峯寺」の歴史
善峯寺は、阪急「東向日駅」もしくはJR「向日町駅」から阪急バス(66番)に揺られて30分程。本数が1時間に一本と非常に少ないので、車でのアクセスがオススメです。
私も山道をくねくね登りながら、車でGO!こんな高い場所にお寺があるのかしらと不安になってきた所で、善峯寺に到着~。
すでに紅葉がめっちゃ綺麗!広い駐車場(500円)もあるので、助かりますね。
この日は、気合を入れて開門時間8時前に到着!なので、まだ入口は開いておらず。
周辺をぶらぶら散策することに。
すると、善峯寺の東門を発見!門から覗く黄金色の紅葉が眩しいですね~。
柱に書かれた通り、西国三十三ヶ所札所めぐりの第20番札所でもある善峯寺。まずはその簡単な歴史をご紹介しましょう!
善峯寺は、長元2年(1029)に源算上人によって開かれ、千手観音を本尊とする天台宗単立寺院。
鎌倉時代には慈鎮和尚や証空上人が住職を勤め、青蓮院門跡からも多くの親王が籠居されたそう。次第に僧侶の数も増え、室町時代には僧坊数が52に達しますが、応仁の乱によって大半のお堂が焼失。
その後、江戸時代に桂昌院(けいしょういん)によって現存の鐘楼・観音堂・護摩堂・鎮守社・薬師堂・経堂が復興されます。
桂昌院は、5代将軍徳川綱吉の母。その昔、桂昌院の父が善峯寺で「女の子を授かりますように」と祈願すると、すぐに桂昌院が生まれたそう。桂昌院は、そんな自分を授けてくれた善峯寺に感謝を込めて、復興の後押しをされたんですね。境内でも、桂昌院の足跡を随所に感じることができましたよ。
さぁそれでは早速、善峯寺の中に入っていきましょう!
ぐるっと庭園散策!善峯寺の境内図
善峯寺に入ると、まず出迎えてくれたのが大きな山門!
1716年建立という風格ある佇まいは、圧倒的な存在感。青空のもと、自然豊かな山並みとの調和も美しいですね。
山門にある受付で、拝観料¥500を支払います。紅葉シーズンだったものの、開門直後だったこともあり、参拝客は私の他に1組だけ。混雑を避けるなら、やっぱり早朝がオススメです。
受付で境内図もゲット!矢印の順路に沿って、お堂や庭園をぐるりと一周できる造りになっています。
ちなみに、一周の所要時間は30~40分とHPに書かれていたのですが、実際に景色を堪能しながら歩くと1時間ほど経っていました(笑)
せっかく念願の善峯寺に来たのですから、のんびり過ごすのも良いのかな。よければ皆さんも、時間に余裕を持って訪れてみてくださいね。
観音堂にお参り!鐘楼堂から京都市街を一望
さぁ山門をくぐったら、まずは観音堂にお参りしましょう。
ご本尊である千手観音様がいらっしゃる観音堂。今年一年の感謝を込めて、そっと手を合わせます。
ちなみに御朱印は、階段を上った左手側で書いていただけますよ。
よいしょ、よいしょ。赤や黄色に色づいた紅葉の道を上っていきます。
朝の散策。空気が澄んでいて、気持ちが良いな~。
鐘楼堂に到着!こちらの鐘は「厄除けの鐘」とも呼ばれ、年末には除夜の鐘が撞かれます。
鐘の下には、「桂昌院寄進」の文字が。綱吉公の厄年にあたって、桂昌院が寄進したのだそう。
境内には、桂昌院が寄付したものすべてに「桂昌院寄進」と記されていました。なるほど、善峯寺と桂昌院のご縁の深さが伺えますね。
そして厄除けの鐘の近くからは、京都市街を一望できる絶景が!
この見事な抜け感!お寺から眺める景色の中で、過去最高に爽快です。
善峯寺は山奥にあるものの、まさかこんなに素晴らしい見晴らしに出会えるなんて!何だか朝から幸せな気分♪なんとこの後、次々に絶景と出会うことになるんです。
全長37m!西山を悠々と泳ぐ『遊龍の松』
景色を楽しんだ後は、国指定天然記念物で「遊龍の松」と呼ばれる五葉松を見に行くことに。
おぉ、長~い松が、地面と並行して横に伸びています。こりゃすごい!全長37mもあるそうで、1枚の写真じゃ収まりきれません。
「日本一の松」として知られる善峯寺の松。龍が遊んでいるように見えることから、花山前右大臣家厚公が「遊龍」と名付けたそう。
「龍かぁ、なるほどなぁ」と思いながら座ってみると、ゾクリッ!
太くうねる幹が、龍の胴体に見えるじゃないですか・・!山に泳ぐ龍。本当に龍だ。
かつては50m程あったそうですが、松くい虫の被害で15m切り落とされたそう。それでも十分に見応えのある立派な松です。
樹齢600年以上の遊龍の松。近づいてみると、小さな松ぼっくりが成長していました。嬉しいなぁ。まだまだ現役、元気いっぱいです!
色んなお寺で松を見てきたけれど、龍に見える松には初めて出会いました。何だか、ちょっぴりありがたい気持ち。これからも大切に守られていって欲しいですね。
情緒たっぷり♪紅葉に染まる秋の多宝塔
善峯寺のシンボルと言えば、その形姿が美しい多宝塔ですよね。
国指定重要文化財でもある多宝塔(左)。経堂と並んで、ぽっと秋色に染まっていました。
遠くに見える山々も清々しいですね~。これぞ自然豊かな善峯寺の秋といった感じでしょうか。
遊龍の松との1枚も。中央には、「桂昌院しだれ桜」として親しまれる大きなシダレ桜が。
春もまた綺麗なんだろうなぁ。遠いけれど、桜の季節にも来たくなっちゃいました(笑)
(ご参考)なんと2023年、桜の善峯寺に行ってきました!最高に綺麗でした~。
ちょっと上から、もみじ越しの経堂を。赤く色づいたものから、手前の青もみじまで。色彩のグラデーションが最高に美しい!
3万坪もある広大な境内だからこそ、素敵な建築と紅葉とのコラボレーションを楽しめるんですね。
いつの時代も変わらない季節の景色。歩みとともに、忙しない日常で疲れた心が癒されていきます。
東山連峰を一望!薬師堂からの極上絶景
さぁ、それではどんどん山を上っていきますよ~!
開山堂の前から眺む京の町並み。モミジが綺麗で思わずパシャリ。
当初、所要時間は40分位で考えていたのですが、綺麗な景色が多すぎてドンドン時間が押してきます。まぁそれだけ楽しんでいるという事で、良しとしましょう(笑)
紅葉の黄色いトンネルに、赤く降り積もる散りモミジかな。
情緒たっぷりで、歩いているだけでウキウキしちゃいます。
瓦屋根に降り注ぐ紅葉も。どこを切り取っても絵になっちゃうんだから、すごい。
秋だなぁ。秋ですねぇ。
さぁ、釈迦堂に到着です!こちらの釈迦堂には、腰痛神経痛に霊験あらたかなお釈迦様がいらっしゃいます。
明治時代に釈迦岳から、今の釈迦堂に遷座されたお釈迦様。その時にかかれた汗を布でお拭いし、その布を体の痛む場所を当てたところ、不思議と痛みが消えたそう。そんなことから、腰痛などに効くご利益を授かれると信仰を集めているんですね。
お釈迦様が汗!?と少しびっくりしましたが、自分が知らないだけで、本当にそういう世界があったんだろうなぁ。後ろを振り返ったというお話が伝わる、永観堂の「見返り阿弥陀様」もそうですもんね。う~ん奥深い!
釈迦堂でお参りを終え、続いては薬師堂を目指します。
えっほ、えっほ。結構上る~!しかも割と傾斜もあります。うん、運動になるぜっ(笑)
このご時世、家に引き込もりがちだから、逆にありがたいのかも。
うわぁ、綺麗!!彩り鮮やかなド迫力のモミジが目の前に。
一本の楓なのに、葉の色はそれぞれこんなに違うんですね。カラフルな世界に、一気に惹き込まれます。
坂を登りきると、善峯寺の奥の院「薬師堂」に到着しました!
桂昌院のお父様は、こちらの薬師如来に女子が授かるようにお願いしたそう。成長した桂昌院が、将軍徳川綱吉の母へと出世したことから、開運出世のご利益を授けてくださる「出世薬師如来」として信仰されています。
私も手を合わせて出世祈願・・いや、待てよ。平凡な今でも十分幸せなような。よし、じゃあ現状維持をお願いさせていただこう(笑)
そしてそして!薬師堂からの景色がこれまた素敵で。
美しい空の下、眼前に広がる東山連峰。スカっと爽快で、気持ち良い~!
善峯寺でここが一番高い場所。素晴らしい眺めに、しばしウットリ。この眺望こそ、善峯寺の魅力ですよね。歩いているうちに、どんどん元気がチャージされていきます。
これぞ錦秋の善峯寺!けいしょう殿から眺める雄大な自然に感動
薬師堂を後にし、続いて目指すのは「けいしょう殿」!ここからの眺望が、とにかく素晴らしかった!善峯寺で、一番のお気に入りの場所になったくらい。
色彩溢れる池を通って、すたこらさっさ。
11月中旬から見頃を迎える善峯寺の紅葉。木によって色づきが全く異なっていたので、紅葉は12月上旬まで楽しめそうです。(ちなみに、私は11月26日に訪れました)
さぁ、けいしょう殿に到着です!中央には、桂昌院さんとお犬さんの姿が。ん、お犬さん?もしや、息子・綱吉公が発布した「生類憐みの令」に関係しているのかな?
お堂の周りには椅子が置かれ、そこから景色を眺められるようになっています。私も座って眺めてみることに。
すると、錦秋に染まる善峯寺が目の前に!雄大な山々を背景に、瓦屋根の波を紅葉が包み込むように彩っています。
いつかのポスターで見た景色。これを見たかったんです!周りには誰もおらず、心行くまで善峯寺の秋を堪能します。いや~、こんな贅沢が許されるんでしょうか?最高です。
左に目をやると、壮大な山々が!登山でもしない限り、こんな景色は見られないと思っていたからもう感動。
美しい大自然に、心の穢れもそぎ落されそう。夕暮れや、日の出も綺麗なんだろうなぁ。
綺麗な空気を吸って、リフレッシュ!善峯寺、思い切って来てみてよかった~。
ちなみに、けいしょう殿の椅子の近くは崖のように下っているので、足元にはくれぐれもご注意を!踏み外さないか、思わずヒヤヒヤしちゃいました。
境内には、桂昌院の遺髪を納めた桂昌院廟も。
綺麗なお花が供えられ、善峯寺が桂昌院さんを大切に想う気持ちが伝わってきます。
紅葉美しい道を散策!森林浴でリフレッシュ
素晴らしい眺めに感激した後は、山門に向かって境内をテクテク散策します。
石橋に降り注ぐ紅葉が美しいですね~。
人が本当に少なくて。アクセスしずらい場所にあるから、実は紅葉の穴場だったりするのかな。
これぞ森林浴!なんて爽やかなんでしょう。大きく息を吸って、吐いて、深呼吸。
マイナスイオンが、えらいことになってます。
こちらは青蓮の滝。石をピョンピョン飛んで、滝の近くまで。
落ちたら大変ですから、慎重に渡ります(笑)
下るのはあっという間。遠くに見えていた甍が近づいてきましたよ~。
綺麗だなぁ。世界に誇れる日本の風景ですね。
散りもみじが美しい小道を行きます。
映画にでも出てきそうな道。歩くのが楽しくなっちゃいます。
おっ、入口の山門に戻ってきました!裏から見る山門は、また違った趣がありますね。
ぐるっと見て回って1時間。沢山歩いたのに、心が回復したせいか、むしろ元気になって戻ってきました(笑)
春は桜、夏は紫陽花も楽しめます♪
今回は、紅葉を目的に訪れた善峯寺。実は花の名所でもあり、春には桜、夏には紫陽花、秋には秋明菊を楽しめるのだそう。
こちらの幸福地蔵さんの裏側が、紫陽花や桜の観賞スポット。
ん?どこに紫陽花?と思ったら・・
お堂の裏が崖になっていて、そこに咲くのだそう!わわわわ、すごい。
(パンフレットの写真を撮ったので、画像が粗くてゴメンナサイ)
これは別の季節にも訪れたくなりますね~。特に境内にはシダレ桜が沢山植えられていたので、次は春に来たいかも!
雄大な自然の中で、紅葉を楽しめる秋の善峯寺。心身ともにリフレッシュできるので、是非皆さんも一度足を運んでみてくださいね。
住所:京都市西京区大原野小塩町1372
アクセス:阪急「東向日駅」もしくはJR「向日町駅」から阪急バス(66番)で終点「善峯寺」まで(約30分)。下車後、徒歩8分
駐車場:あり(有料500円)
拝観料:500円
拝観時間:
令和3年3月31日まで:8:00-17:00(16:45受付終了)
令和3年4月1日から:土日祝日8:00・平日8:30-17:00(16:45受付終了)