京都ぶらり散歩&グルメ手帖

京都の定番からガイドブックに載らない穴場まで、観光名所やグルメを発信中!季節のおすすめスポットや寺社の楽しみ方は、MENUから検索!自分らしい旅を楽しもう♪

【龍安寺の石庭&つくばい】見どころ満載!吾唯知足の御朱印も♪

「京都の禅寺で美しい石庭を眺めながら、静かに過ごしたい。」

 

先日、そんな思いから世界遺産である「龍安寺(りょうあんじ)」を訪れました。謎多き石庭から、「吾唯知足」の蹲踞(つくばい)まで気になる見所をぐるっと堪能!

 

今日は、そんな龍安寺のお参り前に知っておきたい楽しみ方をレポートします。

 

 

世界遺産「龍安寺」の歴史

 

龍安寺は、室町時代の有力者である細川勝元が1450年に創建した禅寺。大徳寺家の山荘を譲り受け、妙心寺の義天和尚を開山としました。

 

応仁の乱など二度の火災で焼失した後、見事に再興。1975年には、エリザベス2世が龍安寺を訪れその石庭を称賛したことから、世界的にも有名となったお寺です。1994年には京都の文化財として、世界遺産に登録されています。

 

簡単な歴史を学んだところで、龍安寺の中へと入りましょう!

 

見る者に解釈を委ねる謎多き「石庭」

 

龍安寺と言えば、日本を代表する枯山水庭園「石庭(方丈庭園)」が有名ですよね。

 

久しぶりに訪れた石庭。美しい白砂に、意味ありげに配置された大小15個の石。眺めていると、いつしか心の雑念も消えていくかのよう。

f:id:kyotoburari:20190611065806j:plain

「白砂は川の流れや海の波を表現しているのかな?」「石は海に浮かぶ島なのかも!」なんて、色んな想像が頭をかけ巡ります。

 

ゴツゴツとした一番大きな石。まるで切り立った山のよう。

f:id:kyotoburari:20190611071726j:plain

東から5・2・3・2・3と並べられた石。じっくり眺めていると、段々とその解釈が気になってきます。

 

が、しかし!龍安寺の石庭は、その解釈からいつ誰が造ったのかまで一切不明なのだそう。つまり、石庭を鑑賞する私達にすべての解釈が委ねられたお庭なんです。

 

なかには、中国の古書「癸辛雜識」にある「虎が川を渡る姿」を石で表現したと捉え、虎の子渡しの庭」と呼ぶ説も。ただし、これも推測の域を出ず、やはり本当の答えは私達の心の中にだけあるのかもしれません。う~ん、何ともロマンティック!

 

幅25m・奥行き10mと横長の石庭。頑張ってパノラマで撮影してみました。

f:id:kyotoburari:20190611065932j:plain

縁側に座って、皆さんお庭を鑑賞中。何とも謎多き石庭ですが、自分だけの自由な見方で庭園観賞を楽しんでみてくださいね!

 

1つだけ石が見えない?石庭が伝える真意

 

謎に包まれた龍安寺の石庭。実は、どこから眺めても「必ず石が1つ見えない」仕組みになっているのをご存じですか?

 

全部で15個ある龍安寺の石。それが、どの角度から見ても14個しか見えないんですねぇ。う~ん、不思議!

 

ではなぜ、そんな設計になっているんでしょうか?それは、東洋では「15は完全を表す数字」で、不完全な存在の人間には、あえて14個しか見えないようにしているそう。その見えない1つは、「心眼(心の目)」で見なさいということなんですね。

 

まさに「自分をしっかりと見つめ、足りないものと向き合いながら、今ある自分に感謝する心を持ちましょう」という禅の教えを体現したお庭なんですね。

 

なんて哲学的で、深みのあるお庭なんでしょう!そんな隠された秘密を知ってしまうと、もうこの石庭から離れられなくなりそう(笑)

 

しかし、実はこんな噂も。方丈の室内からだと、15個すべての石を見ることができるらしい。

f:id:kyotoburari:20190611205258j:plain

確かめてみたい気もするけれど、中には入るのはNG!だから、自分の目で見るのは夢のまた夢。でも、それで良いんです。いや、それが良いんです。

 

これぞ仏教の真髄!吾唯知足の「つくばい」

 

京都の庭園を歩いていると、茶室前に置かれた「蹲踞(つくばい」(手や口を清めるもの)をよく目にします。

 

龍安寺には、水戸黄門が寄進したという少し変わった「つくばい」があるのをご存知ですか?

 

それがこちら!中央の穴を漢字の「口」に見立て、周囲の文字「五」「隹」「矢」「疋」と合わせて「吾唯知足(ワレタダタルコトヲシル)」と読める仕掛けになっています。

f:id:kyotoburari:20190612062642j:plain

吾唯知足とは、釈迦の説く「知足(ちそく)のものは貧しといえども富めり、不知足のものは富めりといえども貧し」という「知足」の心を表したもの

 

つまり、「手に入れられないものに対して不満を抱くのではなく、今ある現状に感謝し満足できる人は、常に満ち足りていて心が平穏である」という意味。

 

人間は生活していると、「あれが足りないこれが欲しい」とつい欲が出てきてしまうもの。そんな時、このお釈迦様の言葉「自分は今でも十分幸せじゃないの!」と思えたら、心が少し穏やかになれるのかなぁと思いました。

 

仏教のありがたい教えが込められた龍安寺の「つくばい」。日頃の自分を振り返ると、定期的にこの「つくばい」を思い出した方が良さそうです(笑)

 

ちなみに後から知ったのですが、こちらの「つくばい」は本物を精巧に真似たレプリカとのこと。本物は茶室前庭にあり、通常非公開なのだそう。レプリカであっても十分楽しめるのは私が立証済みなので、ご安心を!

 

千利休に秀吉が愛した「侘助椿」

 

つくばいのすぐ横には、日本最古と言われる椿の木が植えられていました。

 

侘助という人が朝鮮から持ち帰ったことから、「侘助椿(わびすけつばき)」と呼ばれているそう。

f:id:kyotoburari:20190612062752j:plain

秀吉や千利休もお気に入りだったという侘助椿。2月でお花は見れませんでしたが、樹齢を感じさせないほど青々とした元気な木でした。

 

侘助椿は3月上旬から4月上旬にかけて楽しめるそうなので、タイミングの合う方は是非ご覧になってみてくださいね。

 

春は桜、秋は紅葉が楽しめる「鏡容池」

 

龍安寺では、衣笠山を借景とした池泉回遊式庭園も楽しむことができます。

 

まるで鏡のように木々を映し出す「鏡容池(きょうようち)」。春には桜、秋には紅葉が池に映し出され、とても綺麗なのだそう!

f:id:kyotoburari:20190612211930j:plain

夏には、ピンクや黄色の睡蓮で水面が彩られるんですよ~。

 

平安時代には、お公卿さんが船を浮かべて遊んだという鏡容池。当時は池の方が石庭よりも有名で、おしどりの名所だったそう。

f:id:kyotoburari:20190612211858j:plain

今となっては、石庭のイメージが強い龍安寺。こんなに自然豊かな庭園があることに驚きました。ここは是非、四季折々の表情を楽しみに訪れてみたいですね。

 

吾唯知足のスタンプが嬉しい御朱印 

 

龍安寺を満喫した後は、お参りの証に御朱印をいただきました!

 

太く逞しい筆使いで「石庭」と書かれています。格好良い~。f:id:kyotoburari:20190610212142j:plain

左上には「吾唯知足」のスタンプも!これは嬉しいです。 

 

今回、10年ぶりに訪れた龍安寺。年を重ねると、龍安寺の奥深さに改めて気付かされますね。何だろう、少し疲れた時に心を癒してくれる場所とでも言うのでしょうか。

 

皆さんも是非、龍安寺の石庭を眺めながら、のんびりとした時間を過ごしてみてくださいね。

 

龍安寺

住所:京都市右京区龍安寺御陵下町13

アクセス:京福電車「竜安寺」から徒歩約7分/市バス・JRバス「竜安寺」から徒歩約1分

拝観時間:3/1-11/30 8:00- 17:00、12/1-2月末日 8:30- 16:30

拝観料:大人・高校生500円、小・中学生300円

駐車場:あり(参拝者は1時間無料)

http://www.ryoanji.jp/smph/