京の台所・錦市場。その先にある京都・錦天満宮の鳥居が、ビルに突き刺さっているのをご存じでしょうか?
学生時代、建物にめり込んでいる鳥居に衝撃を受け早数年。なぜ鳥居が貫通したのか?暇だったので、そんな長年の疑問に迫ってみました!
建物に貫通!錦天満宮の刺さる鳥居
こちらが錦天満宮の鳥居。見事に両隣りの建物にブスリッと突き刺さっていますよね?当たり前のように人が行き来していますが、これはちょっとした事件です!
奥が錦市場の通り。寺町通りと新京極通りの間に鳥居はあります。ビルにはファーストキッチンや、雑貨屋さんが入っています。
ファーストキッチンに心惹かれつつも、ポテトなんぞ食べている場合ではないんです!
この鳥居の先っちょはどうなっているのか。もしや切られてはいやしないか?心配になって鳥居の刺さるビルの中に入ってみることにしました。
2Fアニメショップに潜入!鳥居の先端の行方は・・
おそるおそる右手側にあるビルの階段をのぼると、2Fのお店に到着。ちょうど鳥居の高さであり、先端があるならこの中に間違いありません。
しかし!そこに佇んでいたのは、何ともファンシー感漂うアニメショップ。
は、は、入りづらい!!
隙間から店内をそ~っと覗くと、萌え萌えな女の子のキャラクターが無邪気な笑顔でこちらを見つめています。
しばらく店前に立って店内を覗くこと数分。この時点でもう十分に自分が怪しすぎる。
そういえば昔「メイド喫茶で働いてそう」と到底褒め言葉とは思えない言葉を投げかけられたことがあった。ならば、このアニメショップという未知の空間に違和感なく溶け込めるかもしれない。混乱した頭がおかしなことを考え始める。
いや、なにより私は鳥居の先端を確かめる必要があるんだ!
わけのわからない正義感で己を奮い立たせ、意を決してアニメショップに突入しました。
これが壁を突き抜けた鳥居だ!
店員さんの「いらっしゃいませ・・・」の語尾が弱くなっていくのを感じる。そりゃそうだ、どうみても客には見えない。売り上げに直結しない冷やかしの客だ。
これはもう仕方なく素直に「鳥居が見たいんですが・・」と先程までの威勢の良さとは裏腹に、弱々しい声で店員さんに見学を乞いた。
「あ、いいですよ~」と拍子抜けするほど優しいお返事。彼はアニメショップ店員であるが、同時に錦天満宮の神職も兼ねていることを確信した。
さぁ、とくとご覧あれ鳥居の先端を。見事に壁を貫通していましたよ!ズドーン!
鳥居周辺は、かなり密に壁で塗り固められています。
石のひんやりとした感触の鳥居。普段高くて触ることができない鳥居の上部。ありがたく少し触らせてもらいました。
別角度から。なんと盛り塩にお賽銭箱までありました!
きちんと祀られていることに感動。
鳥居の手前には、ピンクの髪の萌えキャラが。日本アニメと鳥居のコラボレーション。This is Japan!
なかなか凄いものを見せてもらうことができました。
今回お邪魔させて頂いたのは、アニメショップの名は「さくらさく」さんです。ありがとうございます!
帰りがけお礼に萌えキャラの缶バッジを買ったことは言うまでもありません。(用途募集中)
どっちが先なの?鳥居が刺さった理由
それにしても、なぜ鳥居がビルにめり込んだのか?気になりますよね。
実は鳥居が造られたのは昭和10年。当時はこの通りは参道で、道幅も保たれビルもなかったそう。しかし後に鳥居の両側の土地が売りにだされ、その土地のオーナーがビルを建てることに。
ただし、鳥居をつぶすのはもってのほか。でも土地は有効に使いたい。そんな状況から導き出された結論。
鳥居を埋め込んで、ビルを建てれば良いよね
なるほど、かなり合理的な結論です。京都の一等地の土地は高いですから、ほんの数センチでも大事にしたいのでしょう。調べてみると一坪600万円!ひぇ~高すぎる。そうしたこともあり、今の鳥居の格好となったわけですね。
声なき鳥居がこの窮屈な状況をどう思っているのか気になるところではありますが、長年の疑問が解消されてスッキリしました。
錦天満宮に参拝の際は顔を上げて、見逃しがちなこの珍鳥居を眺めてあげてくださいね♪