先日、NHKの「プロフェッショナルの流儀」で、「二条城(にじょうじょう)」の唐門(からもん)を創建当時の色に修復する職人さんが特集されていました。
歴史と対話しながら、色褪せた唐門を鮮やかな姿に甦らせる技に感銘を受けた私。「新しく塗り替えられた唐門を見たい!」と思い立ち、早速二条城へと行ってきました!
実際に見る唐門は、想像以上に繊細で色彩豊か。今回は、そんな二条城の唐門の魅力をご紹介していきます。
- 世界遺産「二条城」
- 豪華絢爛!繊細な彫刻が美しい鮮やかな「唐門」
- 唐獅子・蝶・亀!徳川家繁栄の象徴「極彩色の唐門彫刻」に感動
- 大政奉還の歴史が・・!菊紋下から発見された徳川家紋章「葵紋」
- 桜咲く♪二の丸庭園&二の丸御殿を散策
世界遺産「二条城」
二条城は、地下鉄「二条城前駅」から歩いてすぐ。地上に出ると、背の高い石塀に囲まれた二条城がパッと目の前に現れますよ。
さぁ、二条城の入口「東大手門」に到着です!さすが世界遺産、朝9時だというのに多くの人で賑わっていました。
この日は、雲一つない晴天。太陽に照らされて、より一層美しい唐門が楽しめそうです!
豪華絢爛!繊細な彫刻が美しい鮮やかな「唐門」
受付でチケットを渡し、二条城の中へと入ります。すると歩き出してすぐに、お目当ての唐門が現れました!
屋根部分に、繊細で鮮やかな彫刻が施された唐門。なんて美しいんでしょう!
1603年(慶長8年)、江戸幕府初代将軍徳川家康が、京都御所の守護と将軍上洛の際の宿泊所として築城した二条城。
唐門(重要文化財)は、三代将軍家光の時代、後水尾天皇の行幸に備えて、特別に造られたものだそう。2013年に新たに塗り直され、こうやって新しく生まれ変わったんですね。
金、青、赤、緑・・キラキラと輝く多彩な色使いは、見ているだけで心華やぐ美しさ!
随所に施された金も豪華絢爛で、徳川家の繁栄のほどが伺えます。
唐獅子・蝶・亀!徳川家繁栄の象徴「極彩色の唐門彫刻」に感動
それでは実際に、唐門に施された彫刻をじっくりと見ていきましょう!動植物を使った色彩豊かな彫刻は、まるで絵本の物語を見ているような美しさでした。
まずはこちら、中国の霊獣・唐獅子と牡丹。唐獅子が牡丹の花と戯れながら、その開花を喜んでいるかのよう!
聖域と守るとされる唐獅子は、お城の守護の役割を果たしているんですって。透き通った青色が美しく、金の星模様もとてもお洒落。彫刻だと言うのに、みずみずしい牡丹の花にも驚きました!
繁栄や不死の象徴として描かれた蝶と牡丹も。花の蜜をスーッと吸う蝶の姿が、何とも愛らしい。
蝶は、サナギから蝶へと移り変わる姿なのだとか。元気いっぱいに羽ばたくだろう姿に、徳川家の勢いを重ねます。
こちらは、長寿を意味する亀と仙人。仙人の表情をよく見ると、なんだか凛々しくて強そう(笑)
何層にも色分けして塗られた、亀の尻尾の美しいこと!どれも繊細で多彩な色使い。同じ色でも、少しずつトーンを変えて塗られていることに感動しました。
繁栄に長寿と、まさに「徳川家永遠の繁栄」が表現された唐門。時代は違えども、門をくぐると、徳川家の権威を身をもって感じることができました!
ご参考までに、まだ修復されていない城内の彫刻です(唐門とは別のものです)。
どうでしょう?唐門がどれほど美しく塗り替えられたのか、一目瞭然ですよね!
また、唐門は表と裏で全く違う彫刻が施されているのも見どころの一つ。本当、どうやって作るんだろうと驚くばかり!改めて、日本の職人技術に感服です。
大政奉還の歴史が・・!菊紋下から発見された徳川家紋章「葵紋」
豪華絢爛さが目を惹く唐門ですが、そこには天皇家の紋章である「菊紋」が付けられていたのにお気付きですか?
そう、こちらです。なんとこの紋章を巡っては、歴史ロマン溢れるエピソードが・・!
実は、修復時に菊紋の金具をめくると、その下から徳川家の紋章である「葵紋」が発見されたそう!
徳川家繁栄の象徴であった二条城が、1847年の大政奉還によって朝廷下に入り、葵紋の上から菊紋が貼り付けられたんですね。
歴史が大きく動いた瞬間が、こうして建物に刻まれていると思うとシビレますよねぇ。そんな激動の歴史にも思いを馳せながら、唐門を眺めてみてはいかがでしょうか?
桜咲く♪二の丸庭園&二の丸御殿を散策
唐門に感動した後は、庭園散策へ!
こちらは、小堀遠州作庭の「二の丸庭園」。石組みがユニークで面白いですね~。
庭園は歩いて回る「池泉回遊式」となっていて、眺める角度によって様々な景色を楽しめるのが魅力!広くて、とても見応えがあります。
そして、こちらは「二の丸御殿」。国内の城郭に残る唯一の御殿群として、国宝にも指定されています。
中では、狩野派の絵画や豪華な欄干彫刻を楽しめますよ。
この日は、4月上旬。桜の咲き始めとあって、鳥が花をついばむ姿も!ひゃ~、可愛くて癒されます♪
あれ、唐門の蝶さんと似たようなポーズだ!偶然だけど、ちょっと嬉しい(笑)
春の訪れを感じますね~。気持ちもポカポカ暖かくなります。
今日は、豪華絢爛な唐門を見られて大満足!良き1日となりました。
二条城はこれから20年かけて、色んな箇所を修復していくそうです。どんな風に甦るのか、楽しみですね!皆さんも是非、二条城でその歴史に触れてみてくださいね。
(ご参考)桜咲き誇る「二条城桜まつり」の様子はこちらから!
住所:京都市中京区二条通堀川西入二条城町541
アクセス:地下鉄「二条城前駅」下車すぐ
拝観時間:8:45 ~ 16:00(閉門17:00)年末年始は休み
拝観料:入城料/二の丸御殿拝観料1030円、入城料のみ620円
駐車場:120台可能。入庫から120分まで/1,000円
電話:075-841-0096