常寂光寺(じょうじゃっこうじ)は、秋になるとモミジが境内一面を彩る嵐山随一の紅葉スポット!紅葉が茅葺きの仁王門を赤く染める様は、何とも雅やかで京情緒に溢れています。
苔が美しいことでも知られる常寂光寺。苔のグリーンに癒されながら小倉山を登ると、見晴らしを楽しむことも!
今日は、風光明媚な常寂光寺の見どころをたっぷりとお届けしていきます♪
紅葉の名刹「常寂光寺」の歴史
常寂光寺は、嵐山のシンボルである竹林から歩いて5分。静かな山奥にひっそりと佇む隠れ家のようなお寺です。
江戸時代に作られたという山門が、その入り口。門を閉じても、格子の隙間から参道を見渡せる開放的な造りになっています。
常寂光寺は、慶長年間(1596〜1614)に日蓮宗大本山本圀寺(ほんこくじ)の日禎(にっしん)により創建されたお寺。豊臣秀吉による千僧供養の命令に背いた日禎が、本圀寺を出て小倉山に隠遁所を造ったのがその始まりです。
その後、大名である小早川秀秋公の助けもあり、伏見桃山城客殿を移築し本堂を造営。 仁王門は、元和2年(1616)に大本山本圀寺客殿の南門を移築、1620年には多宝塔が建立されました。
それから400年間、代々の住職が大切に守り続けたことで、私達は常寂光寺の四季折々の表情を楽しむことができているんですね。
仁王門を染める鮮やかな紅葉
常寂光寺の境内に足を踏み入れると、そこは色彩に溢れた世界が広がっていました!
赤や黄色に色づいた紅葉がキラキラと輝き、まるで天から降り注いでくるかのよう!いやはや、自然が生み出す彩りの豊かさに感動です。
静かな山荘にふらりと迷いこんだような感覚。常寂光寺のこのひっそり感が、昔から大好きなんです。楓の木が生い茂っているので、夏には青もみじを楽しむことも。
常寂光寺は小倉山にあるため、境内はゆるやかな坂になっています。
階段をのぼって、仁王門を上から撮ってみました。紅葉に彩られた茅葺き屋根が、風情を醸し出していて、とっても素敵!
足元には、苔を散りモミジが美しく彩っていました。紅葉は、落葉した後もこうやって楽しめるのが魅力ですね。
写真を見ていただくとお分かりの通り、常寂光寺は随分と開放感のあるお寺だと思いませんか?そう、常寂光寺は「塀のないお寺」としても有名で、小倉山の開放感を存分に楽しむことができるんです。お参りの際は、この自然との一体感も感じてみてくださいね。
美しい竹林と苔の世界
紅葉の名所として知られる常寂光寺。実は、境内に竹林があるのをご存知でしょうか?
そう、圓光寺や地蔵院のように、常寂光寺も紅葉と竹林の2つを楽しめる一石二鳥のお寺なんです。
太陽光に照らされ、空高く伸びる爽やかな竹林。そこに紅葉した楓が覆い被さって、とっても綺麗!
まさに竹とモミジのコラボレーション!木漏れ日も眩しい~。
竹林を歩いていると、モコモコした可愛らしい苔に出会うこともできました。ふかふかして気持ち良さそう!
梅雨の時期には、雨の恵みでさらに輝きを増しそうです。
池に舞い落ちたモミジの姿も!まるでお星さまが水面に浮かんでいるかのよう。これは、池モミジと勝手に名付けちゃいましょう!
境内を歩いていると、色々な紅葉の楽しみ方を発見できちゃいますね。
紅葉を愛でることで、鈍っていた自分の感性が少し目を覚ましてくれたような気がします(笑)
真っ赤なモミジに包まれる多宝塔
常寂光寺は、山の上にある展望台まで登ることができます。結構な階段数でしたが、せっかく来たので、気合いを入れて登りました!
その道中に眺めた景色が、こちら。紅葉越しに見下ろす多宝塔の美しいこと!燃えるような赤モミジに、思わず目を奪われます。
平安時代から嵯峨野エリアは、皇族や貴族が離宮や山荘をかまえる景勝地だったそう。この常寂光寺の境内にも、百人一首の撰者・藤原定家の山荘があったようです。
確かに風光明媚な小倉山の景色を見れば、歌も詠めるというもの。何だか妙に納得してしまいました。
常寂光寺は情緒ある紅葉が楽しめる!
展望台から降りて、本堂に戻ると「クロベエおいで!」とお堂の中から声が聞こえました。横を見ると、チョコチョコと走る黒猫ちゃんの姿が。お寺の飼い猫なのかな?人懐っこそうで可愛かった~。
常寂光寺を後にすると、嵐山を疾走する人力車が。紅葉シーズンは、お兄さん達もフル稼働ですね!
小倉山を登って疲労した我が身。心の中で「乗せて~」と叫んでしまいました(笑)
常寂光寺は、その名「常寂光土に遊ぶような風情がある」の通り、情緒があって素晴らしいお寺でした。皆さんも嵐山に来られた際は、是非足を運んでみてくださいね!
私もまた四季折々の表情を楽しみに、季節を変えて訪れてみたいと思います。
住所:京都市右京区嵯峨小倉山小倉町3
アクセス:JR嵯峨野山陰線「嵯峨嵐山」から徒歩15分、京福電鉄「嵐山」から徒歩20分
拝観時間:9:00-17:00(16:30受付終了
拝観料:400円
駐車場:なし