実は、祖父が米寿を迎えるので色んな贈り物を考えた末、お箸を見に「市原平兵衛商店」へ出かけました。
お箸は橋渡しという意味もあり、とても縁起が良い贈り物。
お箸を夫婦箸としてプレゼントすれば、祖母も喜んでくれる一石二鳥の良い贈り物になるかも!と我ながら閃いた名案に胸を躍らせながら、お店へ向かいました。
今日は市原平兵衛商店さんと、そんな私のお買い物をレポートします!
「市原平兵衛商店」は400種類も揃うお箸のデパート!
市原平兵衛商店さんは江戸時代創業で、箸一筋の京都の老舗です。四条駅から徒歩5分ほどの所にお店があります。
店内には、た~くさんのお箸が並びます。約400種類ほどあるそう。手に取って、自分に合う箸を探すのも楽しい♪
お箸を選んでいると、貝殻模様が素敵な塗り箸を発見!店主の奥様に米寿のお祝いだと伝え、塗箸はどうでしょうと相談。
どうやら塗箸は滑りやすく、お年寄りには少々使いにくいのだそう。ほぅ、確かにその通り!さすがお箸のプロの意見は参考になります。
すす竹を使った「みやこばし」とは?
そこで塗り箸に変わって、薦められたのが「みやこばし」です。それぞれ表情が違うお箸たち。味があります。
みやこばしは、昔の家屋の天井裏に使用されていた「すす竹」を使ったお箸。
囲炉裏やかまどの煙で煽られ、150年程の年月が経っているので丈夫で反りにくく、長く愛用できるのだそう!
ほうほう、長持ちするうえ、限りがある資源で貴重な竹なんですね。
初めは見た目が地味だし、贈り物にはどうだろうかな?と思いましたが、説明を聞いて実際手に取ることで、みやこばしの虜に。
よ~し、米寿祝の品は「みやこばし」に決まりだ!
そうと決まればたくさんあるお箸の中から、これだという一本を選びます。じっくり時間をかけて、祖父は長めで色の濃いものを。祖母は短めで色の薄い箸をチョイス!
お店の方にお願いし、「夫婦箸」として桐の箱に入れて頂きました。
なんだか立派な桐箱に収まって、素敵な贈り物になりました♪
みやこばしは魚料理に最適!秘密はその箸先にあり
また箸先は、このように食べやすいように一本一本削られています。手に取って使ってみると、箸先がピタッとあってとても使いやすい!
軽くて、しっとりと手になじむ感じ、本当に気持ちいい。まるで箸と一心同体であるといった心地よさ。魚の骨も楽々とれそう。
みやこ箸は、楽天市場でも購入できるようになりました。お祝いなど、大切な人へのプレゼントにお薦めですよ。
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また、お店の方から「菜箸」を主婦の私に薦められました。食材を掴みやすい上、握りやすい八角形の断面の優れモノ。お値段が4000円程なので、料理の腕をもっと上げたら手にしてみたい(笑)
なんと祖父は「みやこばし」と50年の付き合いだった
後日、祖父にプレゼントした際に衝撃の事実が発覚!
なんと祖父は若い時に自分で購入した市原平兵衛さんのお箸を、今まで50年間も使い続けていたのです。
それがこちら。新しいお箸と比較。上が50年使い続けた、みやこばしです。
だいぶ色あせて削れてしまっていますが祖父の食事を支え続けてくれた大切なお箸です。
なんで、新しい箸を買わずに、みやこばし50年も同じ箸を使ってるの?と聞いたら、答えはとてもシンプル。
「すごく使いやすいから、他のものは使えない。京都まで買いに行こうとおもっていたところだった。」
孫の私が良いタイミングでプレゼントできたので、すごく喜んでもらえました。ここまで喜んでもらえると、贈った私も嬉しい!
京都ブランドの高級な箸を、と意気込んでいた単純な私。本物の老舗であることを、祖父を通じても知ることができました。
ひとに長く愛され、生活を豊かにする道具をつくる。それが京都の「ほんまもん」の老舗なのですね。
いつか自分もみやこばしを使ってみたいな。少し値段は高くとも、十分に価値のある道具だと思います。
*ご参考*
清水寺近く「かめやま」も竹を使ったお箸が人気です。
すす竹を使った掻き心地抜群な耳かきもありますよ♪
市原平兵衛商店
住所:京都市下京区堺町通四条下ル小石町118-1
行き方:地下鉄「四条」駅から徒歩5分
営業時間:平日10:00~18:30 日・祝11:00~18:00
電話:075-341-3831