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【祇王寺】苔絨毯に赤く染まる紅葉絶景!「悲恋の尼寺」の歴史も徹底解説

今回は、嵐山にある隠れた紅葉の名所「祇王寺(ぎおうじ)」をご紹介!祇王寺は、秋になると赤く染まったモミジが苔に舞い落ちる何とも雅で風流なお寺です。

 

そんな祇王寺ですが、実はある遊女の悲しい恋のエピソードを秘めたお寺でもあるんです!今日はその悲恋の歴史から美しい紅葉まで、祇王寺の魅力をたっぷりとお届けします。

 

 

悲恋の尼寺「祇王寺」の歴史

 

祇王寺はJR嵯峨嵐山駅、もしくは京福電鉄嵐山駅から歩いて20分ほど。嵐山でも奥まった場所にある静かなお寺です。

 

この石畳の細い道を抜けた先に祇王寺はあります。ほんのり色づいた木々が綺麗ですね。

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祇王寺は、かつて法然上人の門弟良鎮が創建した往生院の境内に建てられました。当時は広い寺域を有した往生院ですが、後年は荒廃し、その後小さな尼寺へと姿を変えます。祇王寺と呼ばれるようになったのは、それからしばらく経ってからのことです。

 

それにしても、なぜ尼寺となったのでしょうか?実はそこにはある女性の悲しい恋の物語があったのです。

 

切なすぎる遊女の恋物語

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悲恋の尼寺とも呼ばれる祇王寺。まずは、そんな悲しい恋をエピソードをご紹介しましょう。

※()の中は、私の個人的な感想です(笑)

 

物語の主人公は祇王という名の女性。祇王は、平安物語にも登場する白拍子(しらびょうし:歌舞を演じる遊女)で、時の権力者である平清盛の元で寵愛されていました。

 

しかしその数年後、突如その座を揺るがす事件が勃発!仏御前(ほとけごぜん)と名乗る若く麗しい白拍子が、自分の舞を見て欲しいと清盛のもとを訪れたのです。

 

当初、清盛は仏御前に合わずに追い返そうとします。しかし、それを気の毒に思った祇王が、清盛を説得し、仏御前に会わせる場を取り持ちます。(祇王さん、お人好しすぎる・・!)

 

その後の展開は皆様お察しの通り!清盛は若くて可愛い仏御前に首ったけまったくいつの時代も男という生き物は・・笑

 

清盛に捨てられた祇王は都を離れ、母と妹を連れて祇王寺で仏門に入り、尼となります。そして、世の無常を知った仏御前も結局は清盛の元を去り、祇王らを追って尼に転身。その後、4人はひたすら念仏を唱えながら祇王寺で余生を過ごしたのだそう。

 

まるで小説のような悲しい恋の物語。ひっそりと佇む祇王寺を選んだのは、人から身を隠したいと願った切ない女性の心情が表われいるのかもしれませんね。

 

これぞ絶景!苔庭に赤く染まる紅葉

 

さて、前置きが長くなりましたが、祇王寺の境内に入りましょう!

 

祇王寺の秋の魅力は、何と言っても緑の苔庭に赤く染まるモミジでしょう!秋が深まるごとに苔を覆う敷きモミジがボリュームを増し、美しい景色が広がります。

f:id:kyotoburari:20190915084826j:plain空高く伸びる楓の葉が、太陽光でキラキラ輝く姿がとっても綺麗!あまりの美しさに、しばし時間を忘れて見惚れてしまいます。

 

祇王寺は、この小さな苔庭をぐるりと周って散策をしていきます。参道ではささやかな竹林も楽しむことができますよ。

 

赤やオレンジのグラデーションが惚れ惚れする美しさ!空も地面も自然の彩りに溢れています。

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奥に見えるのが竹林ですね。許されるならば、ここで1日籠って過ごしたいくらい大好きな空間です。

 

こちらは、翌年の秋に訪れた祇王寺。この年は紅葉の見頃が遅く、その代わりに生き生きとした緑の苔を楽しむことができました!

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苔の名所と呼ばれるだけあって、こんもり地面や岩を覆う苔の美しいこと!夏には、苔と青モミジのコラボレーションも楽しめそうです。

 

季節によって表情を変えるのも祇王寺の魅力ですね。

 

祇王寺は心静かに過ごせる穴場です

 

祇王寺の奥には、茅葺き屋根の草庵があります。

 

こちらには、祇王寺で晩年まで暮らした祇王ら4人と清盛の木像が安置されていました。尼となった女性たちを想いながら、そっと手を合わせます。

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また、草庵にある「吉野窓」と呼ばれる丸窓も見どころの1つ。光の入り具合で影が虹色に映るそうなので、合わせてご覧になってみてくださいね。

 

祇王寺は小さなお寺ですが、苔と紅葉が織りなす素晴らしい色彩美を楽しむことができました!時間に余裕を持って、心静かに過ごしたいお寺ですね。

 

是非みなさんも嵐山にお越しの際は、祇王寺にも足を運んでみてくださいね♪

 

 (ご参考)常寂光寺の記事はこちら。祇王寺の近くにあるのでお勧めです。

www.kyotowalk-gourmet.com

 

祇王寺

住所:京都市右京区嵯峨鳥居本小坂町32

アクセス:JR「嵯峨嵐山駅」、もしくは京福電鉄「嵐山駅」から徒歩25分

拝観時間:9:00~17:00

拝観料:300円